ベイビーベイビーベイビー
颯爽と帰っていく内藤の背中を恨めしそうに見送ると、彰人は再びデスクに向かった。
時計をみれば既に定時を1時間も過ぎており、窓の外も薄暗くなり始めていた。
しかし相変わらず部内には多くの社員が机に向かったままで、席を立つ者は一人としていなかった。
このような激務ではあったが、彰人にすれば様々な思いが去来する憂鬱な時間からは逃れる事ができたわけであるし、あながち悪い事ばかりではなかったのかもしれない。
〜『ベイビーたちの現実』 彰人〜
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