ベイビーベイビーベイビー
祥吾の両親から祥吾との離縁を勧められ時、綾乃は自分が祥吾の世話をすると告げた。
自信などない。
無意識に突き動かすものが、理由なく綾乃をそうさせていたのだった。
綾乃は祥吾に「死んでやる」と告げたときから、綾乃は綾乃の自身の“死”を常に意識していた。
決して脅しや駆け引きで言っただけではなかった。
その時を境に祥吾は離縁の話をしなくなったが、だからといって二人の関係を修復しようともしてこなかった。
こんなことで祥吾を繋ぎ止めて置くことに、綾乃自身も虚しさを感じていた。
それでも経済的にも自立していない自分が生きていく為にも、綾乃は祥吾と離縁をするわけにはいかなかった。
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