ベイビーベイビーベイビー
 
 ここに座る彰人同様に随分と年上の藤堂のことを、麻美は今も今までも男性として意識した事がないように、目の前に座る彰人との結婚など、今の麻美にはやはり現実的でないように思えた。

 それでも、

(この人が私と気の合う人ならすぐにでも東京に行けるんだから、しっかり観察しないと!)

と、改めて当初の目的を確認すると、さっきまでの変な緊張は次第に解れていった。

  
(「恋愛」と「結婚」って別物だって聞くし、このくらい大人の人のほうが甘えられていいのかもしれないわよね)
 
 そう思えば、別段「嫌いなところ」がなければ、結婚なんて簡単にできる気がした。


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