ベイビーベイビーベイビー
「そうよ、何か?
それにしても『恋愛』に歳は関係ないっていうけれど、やっぱり『結婚』にも年齢は関係ないのかしらね?」
今日はやけに大人ぶった様子の麻美の発言を聞きながら、年齢がどうとかよりも、麻美の結婚観に未熟さを感じた藤堂は、
「なになに、麻美ちゃんまで『恋愛』と『結婚』は別とか言うんじゃないだろうね?」
と珍しく眉間に皺を寄せて麻美を見た。
そんな藤堂を見た麻美は、キョトンとした表情をして、
「だって、そう云うものなんでしょ?」
と藤堂に問い返した。
「えぇ?本気で言ってるの?25歳でそんな事言ってるなんて、麻美ちゃんは夢がなさすぎだよ」
今度は哀しそうな顔になった藤堂に追い討ちをかけるように、
「残念ながら、夢を見る年頃はとっくに過ぎてるわよ。
打算も人生には付き物っていうのかしら?
嫌いじゃなければ『結婚』くらいできるかなって」
麻美は大真面目な顔をして、何やらドラマの台詞でも真似たかのような事を言い出したのだった。