ベイビーベイビーベイビー
しかし彰人がそれに関心を示したのが失敗だったのか、(いや、あれだけ目立てば彰人でなくても関心を示すであろうが)これを皮切りに、友人はきちんと整理された数々の子どもの写真を出して来て広げたり、最近撮ったというホームビデオで誕生日を祝う様子を見せたりと、この日の話題は始終子どものことばかりであった。
別段子どもが嫌いというわけではない彰人であったが、それにしても他人の子どもの成長記録などとなれば心底つまらなかったし、休日だというのに疲れてしまった。
また、未だ独身で子どものいない自分に対し、随分と配慮の足りない男であるなと、その家を出る頃には、彼に嫌悪感さえ抱いた。
そして、
「今度はもっとゆっくりしていってな!」
と見送る友人に手を挙げて応えるものの、心の中では、
「もう二度とごめんだよ」
と呟いた彰人だった。