ベイビーベイビーベイビー
 
 
 そんなこんなで気の休まらない連休の初日過ごし、やっとのんびりと過ごしている彰人の元に、今度は彰人の母親、真佐子がやってきた。


 そもそも一昨日の見合いの後から今まで、何も聞いてこないのを不気味に感じていたのであるが、やはりこのまま知らばっくれる訳には行かないようであった。


「ねえ彰人。麻美さんとあれからどうしたの?」

「ああ……、あれからね」

“あれから”とは、皆で昼食を食べ終えた後、

「せっかくのお休みなんだから、二人でゆっくりお話してきなさいな。
 私たちも久しぶりに二人でゆっくり話したいから、お先に失礼するわね」

と二人で顔を見合わせ、薄情にも彰人と吉田麻美をその料亭に残し、母親とその友人とでタクシーで去っていった後のことであった。


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