ベイビーベイビーベイビー
Accident3 綾乃
*****
五月五日。
祥吾のいる病室にも、春の暖かい日差しが差し込んでいた。
窓の外から見える新緑は眩しくそれを反射し、拡散させ、これから始まる命の芽吹きを思わせる景色である。
けれど病室の中を見れば、そこに在るのは、目の下に浮かぶ陰りがいつもより濃く、もはや表情を失ってしまった綾乃の姿であった。
祥吾の手を握る義母の傍らで呆然と立ち尽くしていた綾乃は、医師に促されると小さく頷き、祥吾の病室から静かに廊下へと出た。
五月五日。
祥吾のいる病室にも、春の暖かい日差しが差し込んでいた。
窓の外から見える新緑は眩しくそれを反射し、拡散させ、これから始まる命の芽吹きを思わせる景色である。
けれど病室の中を見れば、そこに在るのは、目の下に浮かぶ陰りがいつもより濃く、もはや表情を失ってしまった綾乃の姿であった。
祥吾の手を握る義母の傍らで呆然と立ち尽くしていた綾乃は、医師に促されると小さく頷き、祥吾の病室から静かに廊下へと出た。