ベイビーベイビーベイビー
 

「麻美ちゃん、どうしたの?あんまりおいしくなかったかしら?」

 突然におとなしくなった麻美を、百合子が心配している。


「ううん、相変わらず凄くおいしいよ。
 百合子おばさん、いつもありがとうね」


 麻美はいつも自分に惜しみない愛情を与えてくれる百合子に、思わず礼を述べた。


 思えば、百合子が本物の愛情を示してくれたからこその“気付き”であったのだから。


 愛される安心感を、麻美に教えてくれた血のつながらない恩人――。



 


 とはいえ、小島が本当に計算高い男であるのか、はたまた百合子の言うとおり女性に対してオクテなだけなのか、今はまだ全てが推測の域を超えていないのは間違いがない。


 断る前に、少しだけこの小島彰人という人物を「知る」ことをしてみるのも悪くないのかなと、こちらも強かに考える麻美であった。







~『ベイビーたちの……』麻美~

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