ベイビーベイビーベイビー
しかし死亡診断書の内容を見ることはせず、弟、つまり祥吾の叔父にあたる男性にそのまま書類を渡すと、
「悪いが、できるだけ家の近くで、どこか葬式場をあたってみてくれないか?」
と申し訳なさそうに依頼をした。
そして、
「何が要るのか…考える気力が湧かないんだ。
気がついた事があったら、教えてくれないか」
と付け加えた。
祥吾の叔父は「ああ、心配するな」と言って頷くと、兄の肩を力強く叩くと、静かに病室の外へと出て行った。