ベイビーベイビーベイビー
 
 そして、

「これからの事を考えたのですが、やはり喪主は私がやりますし、綾乃さんたちはお客さんで来てくれればいいと思っておるのです。

 それから――…

 葬儀が終わったら、離婚届けをこちらで用意します。

 綾乃さんは祥吾と夫婦生活をしていなかったんです。
 綾乃さんはまだ若い、再婚して幸せになってもらわなくては、祥吾も浮かばれんでしょう。

 だから、ここで未亡人の真似事なんてしなくていいんですよ」

 義父から優しくゆっくり語りかけられたのは、義父なりの深い思いやりの言葉であった。


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