ベイビーベイビーベイビー
 
 そうこうしていると、インターフォンが鳴った。
 どうやら吉田社長が帰宅をしたようだ。


「やぁ、藤堂くん。おかえり」

という吉田に、

「お留守に上がり込んでしまってすみません」

と藤堂は立ち上がって謝った。


 すると今度はそこに、吉田の帰宅に合わせるように料理を終えた妙子が、

「あ、お父さん。藤堂さんからこれ頂いたわよ」

と言ってさっき藤堂が手渡した酒を手に現れた。

 吉田の顔を見れば、

「おぉ、そんな気を遣うなって」

と言いながらも、やはり嬉しそうである。

「さぁさ、ご飯にしましょ。
 麻美、運ぶのくらい手伝いなさい」

「はぁーい」

呑気に紅茶を楽しんでいた麻美も、こうして立ち上がった。



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