ベイビーベイビーベイビー
今夜の夕飯は筍の炊き込みご飯と金目の煮付け、それに味噌汁と漬け物の盛り合わせが添えられた。
「うわぁ…。料亭みたいですねぇ…」
いつものことながら、料理のみならず、趣向を凝らした器にも藤堂は思わず感嘆を漏らす。
妙子にしてみれば、目の前の料理が当たり前に存在しているかのように食べ始めた吉田と麻美を前に、これ程喜んでくれる人がいると、やはり嬉しいものである。
「家にあるものばかりだから、遠慮しないでね。
この金目は頂き物よ、あなた運がいいわ!」
と言って妙子は嬉しそうに笑った。
こうして藤堂は、今年の連休の最終日を、こうして吉田の家族に混ざり、四人で食卓を囲んで過ごしたのであった。
~『揺れるベイビーたち』 藤堂~