ベイビーベイビーベイビー
真理江は「ありがとう」と言ってそれを受け取ると、
「私だってよく分からないけど――…
つまり簡単にいえば、私の事が邪魔になったのよね」
と恨み言を溢した。
「こんな事を言って気を悪くさせたらアレだけど―…
今日奥さんのことをハッキリ見られて、もしかしたらラッキーだったのかもしれないよ?
真理江は優しいから、連絡がとれるまで、きっとずっと祥吾さんからの連絡を待ち続けちゃうんじゃないかって思ってたんだ」
冴子は俯き、わざと真理江の顔を見ないようにして、フォークの先でパスタをゆっくりほぐしながら真理江に告げた。
「確かに、そうかもしれないわねぇ。
ショックが強すぎて、相当堪えてるけど……」
冴子が取り分けてくれた皿に盛られた料理にフォークを突き刺しながら、真理江はぶつぶつと呟いた。