ベイビーベイビーベイビー
 

 冴子は佐竹との久しぶりの再会がこのようなものになった事に、「なんてついてないのかしら!」と泣きたい気持ちになりながら、

「さ、佐竹さん!こんばんは!
 えっと……これは――…」

言葉を選びあぐねていると、

「具合が悪そうな二人組がいるなぁと思って来てみたら、君たちだもの!
 びっくりしたなぁ」

と、佐竹が眉間に皺を寄せながら述べた。

「えぇっ!そうなんですか!
 あの……、ごめんなさい」

 恥ずかしさも去る事ながら、佐竹が具合の悪そうな二人の様子を見に来た事を知った冴子は、少し飲ませ過ぎてしまった事を今更ながら悔やんだ。

「いや、それよりも小林さん、大丈夫なの?」

 そして、真理江を心配する佐竹に複雑な思いを抱きながら、冴子は佐竹と共に、隣にいる真理江の顔を覗き込んだ。


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