ベイビーベイビーベイビー
そこにいる真理江を見れば、社内での近寄りがたい雰囲気は何処へやら、アルコールによって頬をピンク色に染め上げ、冴子と同じようにすっかり化粧も落ちているし、髪も乱れているにも関らず、何やら愛らしい表情をして、相変わらず うとうととしていた。
そんな彼女は、同じ女性である冴子からみても、とても可愛いかった。
同じ時間を過ごしながら、こんなにも見苦しくヨレヨレになった自分とはまるで正反対の真理江の様子に、恋愛の神様がいるとすれば、自分と佐竹を取り持つ気など皆無なのだな、と、冴子は改めて自分の不運を呪わずにはいられなかった。