ベイビーベイビーベイビー
 

 冴子も横になるべく、押入れから冬に使っていた毛布を取り出すと、リビングにある二人掛けのソファーに運んだ。


 そこにゆったりと座り、時計を見れば、随分遅くなった気がしたけれど、時刻はまだ12時を過ぎた頃であった。


 冴子は今夜の一連の出来事を思い返しながら、とりあえず佐竹にお礼のメールを入れた。

 そして思い出したように真理江の洋服を吊るし、アルコールの匂いを消すべく消臭スプレーの霧に当てた。

「私ももう寝なくちゃ」

 明日からまた、しばし離れていた日常が始まる。


 冴子は久しぶりに目覚まし時計をセットすると、この夜はソファで眠る事にした。







~『揺れるベイビーたち』冴子~

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