ベイビーベイビーベイビー
それにしても、真理江を冴子の家の玄関前まで送り届けた佐竹であるから、なんとなく真理江が無事である事は予測が出来た。
「――で、安藤さんは?」
気になるのは、冴子の「その後」であった。
真理江がいつも通りの身綺麗さをもって今朝も出社したからには、冴子のフォローがあったとしか思えない。
「冴子も出社してます。
私の身支度まで全部を用意してくれていて。
有り難さと不甲斐なさで、本当に泣けてきちゃいます」
真理江は冴子に対しても、申し訳なさそうに伏し目がちで答えた。
佐竹は心の中で「やっぱりな」と呟くと、その顔に笑みを浮かべた。