ベイビーベイビーベイビー
時計を見れば、時刻はまだ九時前。
以前なら持ち帰る仕事もあったが、今ではセキュリティチェックも益々厳しく、社外に仕事を持ち出すことはできない。
このような時間から楽しめるような趣味もない藤堂にとって、眠るまでの時間はすっかり持て余してしまう。
テレビをつけたもののあまり興味を引く番組もなくて、藤堂は仕方なくPCを立ち上げると、インターネットでこの日にあったニュースに一通り目を通した。
そして一通りそれらに目を通すと、ブックマークから【Industry】を見つけると、少し躊躇いながらログインをした。
自分が麻美を守るためにできること。
それはこれからも【Industry】において、さりげなく小島の心の中を確かめることかもしれないと、藤堂は思った。
そして小島の傲慢な態度があまりにも目に余るようであれば、その時こそ麻美本人にその事実を告げようと心に決めた。
〜『ベイビーたちの時間』藤堂〜