ベイビーベイビーベイビー
 

 こうして一騒ぎし部屋に戻ると、麻美は二人を気遣い、席を外す事にした。


 妙子と百合子は昔話や最近の様子など、お喋りが途切れることはなかった。

 会って話をするのが何年ぶりであろうと、何一つ変わらない。友情とは奥底で静かに繋がった絆のようだ。

 あまりの楽しさに時の経つ感覚すら薄れ、気付けば既に4時を回っていた。



 名残惜し気に百合子が腰を上げた時、

「よかった!間に合った!」

 麻美が先ほど撮った写真を自身でプリントアウトし、客間に飛び込んできた。


「まぁ、麻美ちゃんがやったの?すごいわねぇ?」

 百合子は驚いた。

「別段凄くなんてないわよ。最近はみんな、写真用のプリンターを持っているものよ」

 麻美にそう言われても、百合子にも妙子にもピンとは来なかったが、しかし何より嬉しい土産を貰った百合子は、二人に見送られ、晴れやかな気持ちで帰路についた。





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