ベイビーベイビーベイビー
Baby2 真理江
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今夜も真理江の家には 恋人の祥吾が訪れていた。
しかしまだ夜も更けきらない時間にも関わらず、既に玄関先には帰り支度を済ませた祥吾と、彼を見送る真理江の姿があった。
扉に手を掛け、上半身だけ振り返った格好で
「じゃあ、また」
目を細め、愛おし気な眼差しで真理江に微笑む祥吾に
「うん」
と、真理江も優しい眼差しで応える。
家の中の暖かさに比べると、扉一枚隔てた外の世界は思いのほか寒くて、開いた扉から二人を震わせるように入り込んできた冷たい風に、思わず首をすぼめてしまう。
「寒いね」
祥吾は振り返り、そう言って苦笑いを浮かべると、
「じゃあ、ここでいいから」
と右の手を軽く上げて、足早に真理江の家を後にしたのだった。
今夜も真理江の家には 恋人の祥吾が訪れていた。
しかしまだ夜も更けきらない時間にも関わらず、既に玄関先には帰り支度を済ませた祥吾と、彼を見送る真理江の姿があった。
扉に手を掛け、上半身だけ振り返った格好で
「じゃあ、また」
目を細め、愛おし気な眼差しで真理江に微笑む祥吾に
「うん」
と、真理江も優しい眼差しで応える。
家の中の暖かさに比べると、扉一枚隔てた外の世界は思いのほか寒くて、開いた扉から二人を震わせるように入り込んできた冷たい風に、思わず首をすぼめてしまう。
「寒いね」
祥吾は振り返り、そう言って苦笑いを浮かべると、
「じゃあ、ここでいいから」
と右の手を軽く上げて、足早に真理江の家を後にしたのだった。