ベイビーベイビーベイビー
「冴子ってば、笑い事じゃないわよ! もちろん冴子は来てくれるわよねぇ?」
心底不快感を露(あらわ)にする真理江に対し、
「はいなっ! 小島さんはともかく、いつも割合に素敵な人が集まるんだもの。私としてはラッキーなのよねぇ」
冴子は見るからに嬉しそうで、寧ろこのメールが届くことを楽しみにしている様子であった。
「じゃあ冴子のPCに転送しておくから、いいお店があったら小島さんに返事しておいてくれる?」
「了解! 」
それもそのはず、30歳を目前にして 冴子にはもう長いこと恋人はおらず、こうして彰人が飲み会を開いてくれるたびに出会いが生まれる事から、今までも喜んで参加していたのだった。
「私はまたドタキャンするかもしれないけど、うまくお願いね」
真理江は自分の背後に居る冴子の目を見ることをしないまま、溜め息まじりに依頼した。
そんな真理江の背中を、冴子はじっと見つめた。