太郎君のヒ・ミ・ツ♪



「俺と遊ぶ?」

「遊ぶ訳ねーだろ。」


えっ?


そこに居たのは息を切らした太郎がいた。


「んだよ。男連れかよ」

男はブツブツ文句を言いながら人混みに消えて行った。


「…大丈夫か?」

太郎はあたしの手を握り、立たせてくれた。


「さきさき行ってごめんな」

「あたしこそごめん…」

「楽しみたいって気持ちがデカイからなんかイライラしてたわ…」



そっか…

太郎も楽しみたいんだよね。



「楽しもッ!」

「ぉう。つか、こんな傷作ってんじゃねーよ?」

「ごめんッ」



太郎は「泣くなよ?」と、言ってあたしの手を握り、歩き出した。




.
< 131 / 133 >

この作品をシェア

pagetop