太郎君のヒ・ミ・ツ♪



太郎はそお言うと

あたしの腕を掴んで

教室を出た。


「ちょ!そこの誘拐犯!
あたしをどこに連れて行く気よっ!」


「黙って着いてこい」


太郎はそお言うと
図書室に連れてきた。


太郎は図書委員長だからいつでもカギを持っていた。

扉のカギを閉めると
あたしをイスに座らせた。

「…で?何キレてんだよ」

「だって…」

「…………」

「だってだってだって…」

「だって…何だよ」


だって…


「何でそこまでして王子様キャラを作るの?!何でそこまでしてあたしと付き合ってる事秘密にすんの?!」


「の…」

「あたし限界だよ。
学校だって一緒に行きたいし、学校で堂々と二人でお弁当食べたり、手繋いだりしたいよ!」


だんだん涙腺が緩み始めた。


「もーヤダぁ…」

ついにあたしは泣いてしまった。



すると太郎のイスが
ギーッと音を立てた。
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