太郎君のヒ・ミ・ツ♪



「あっ
俺ん家泊まる?」


・・・・・・


「ぇぇぇええ!!」

「嫌?」

嫌じゃないんだけど…

「お母さんとか…」

「居ないよ。
実家はニューヨークだから」

「ニューヨーク?!」

ニュ、ニュ、ニューヨーク?!


あのアメリカにある
ニューヨーク?!



「うん」

「ビックリしたぁ…」

「で、泊まる?」

「泊まる!」


すると太郎はあたしの頭を撫でながら「んじゃ一回着替え取りに帰ろっか?」と、言った。


「うん♪」

「何なら一緒に住む?」

「それはダメ」

「なんで?」

「お母さんが
一人になっちゃうから」


お父さんもいないし

兄弟もいないからねっ…


「さすが野衣。優しいな」

「へへへ…」


あたしは強く太郎の手を握った。



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