アンビバレンス
うつむいてるから、顔見えなかったし、さっきより声小さいから、泣いてるのかなって思った。「ってことで、名字だって嘘ついてるってゆーか、母さんの結婚前のだしさ、今まで逃げるみたいに引越しばっかで、かなり大変だったわけ。だけど、この学校に来てさ、恵みたくなんでも話せる友達ができて・・・良かったよ。」
「ねぇ、加奈さ、じゃぁ加奈のお父さんどうなっちゃうの?死刑ってやつ?死ぬの?」
「ううん。無期だって。むきちょーえきっー!!」
落ち込んでる感じしたのに、加奈は突然あたしの方見て、にこって笑うと立ち上がって制服のシワをパンパンッって叩いた。
ボソっと、「腹減った~ぁ」って言ったと思う。
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