Black Light
森全体には既に火が回っている
櫂国に踏み入れた瞬間に
途端に鈍る感覚
恐怖にも近い
そんな感情が身体中を支配していく
「どっからいこっか?」
あまりの淡々とした口調に
何となく内に秘めていた思いが爆発した
「湊は何も思わないの?」
「…何が?」
「何がって…
これからやることだよ!」
こんなこと湊に言っても何も変わらないのに
変わらないのに
こんなことしか言えない自分が
本当に情けない