Black Light

「ここに来て一番の誤算は悠里の存在だった」


「え?」


「あの日…
本部には入って、東国の資料を見つけてさ。
悠里の名前を見つけた時…

俺本当はどこかで分かってたんだ。
きっと悠里だろうなって。

信じたくなかったけど…あれだけ上手く仕事ができるのは悠里しかいないって思ってたから」


胸がつまる思いだった

苦しくて


とめどなく溢れ出す涙が

私を苦しめる



11年前のあの日

自分が誰をどうしたか

そんなはっきりとした記憶はないけれど

おそらく湊の両親は私が手にかけたのだろう


何となくだけど

湊の話しが始まった時からそう思っていた



< 142 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop