Black Light
「聞かなくても、悠里なら全部分かってるでしょ?」
どうして笑うの?
どうして笑えるの?
「元からおかしいと思ってた。
あんな風にこっちの作戦が全部ばれてるなんて…
湊が全部流してたんでしょ?
汰国の情報を櫂国に…」
「そーだね。
全部俺が流した」
悪びれもなくそういう言う湊に
私は言葉を進める
「あの時…
ウイルスをばらまいた時。
ワクチンが数本無くなってた。
きっと湊が余分に持ってるんだろうなって、そんなに深くは考えなかったけど…
そのワクチンと交換に…
櫂国政府から何をもらったの?」
「やっぱ悠里すげーな。
全部お見通し」
クスクスと私を見て笑う湊に
どうしてだろう
湧いてくるのは
悲しみだけ
「悠里さ、東国はどうしてあんな風にされたか…
知ってた?」