Black Light
私たちは
なぜこのミッションが行われなければならないのか
そんな風に考えたり
聞いたりすることは禁じられてきた
静かに首を振ると
湊は納得したように首を縦に振り
木に腰掛け
私を見つめる
「俺さ、ずっと今まで利益目的だと思ってたんだ。
東国は小さい割に資源は豊かだったし…
でも違った。
あの日見た本部の資料に、何て書かれてたと思う?」
彼の目が
悲しく揺らぐ
「実験だって」
「実験?」
「暗殺部隊-ネバーランド-が物になるかの実験。
東国はそんなもののために犠牲になった」
「それって…」
「もっと分かりやすく言うと…
悠里が使える人材か、そうでないか…
調べるための舞台が東国だったってこと」
ショックだった
あまりに
大きすぎる事実に
私はそんなことをするために
今まで命を削ってきたのだろうか