Black Light

「湊…
もういい…
もういいよ。

私だって…
私だって湊に会えてよかった。

湊に会えて、初めて人を信じたいって思った。

東国のこともね・・・
本当はずっと後悔してたの。

もう遅いけど
本当に…
本当にごめんなさい」


そう

もう遅い

今更謝ったって

何が変わるわけでもないのだから



「…うん。
分かってる。
ちゃんと分かってるから。

誰が悪いわけでもないんだ。
それは…
もう十分すぎるほど分かってる…。」


風が吹いて

身体が揺らぐ


いっそこの現実も

どこかに吹き飛ばしてほしい


そう本気で

思った



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