Black Light
「なぁ悠里」
「ん?」
湊の腹部からとめどなく溢れだす血液が
彼の顔を歪め
浅い呼吸は
もう彼の命が長くはないという残酷な現実を
私につき付ける
「きっといつか俺達幸せになれるよ」
「…え?」
「俺達だけがこんな人生なんて…
神様はそんな不公平なやつじゃないと思う。
次、お互いが生まれ変わったらさ…
悠里は村一番の美人で…
俺は村一番のプレイボーイなんだ。
それで俺は悠里に一目ぼれして…
求婚するけど相手にされない。
でもそこで俺すっげー頑張るからさ…
そん時は俺と結婚してくれる?」
そんな夢物語…
こんな時に言わないでよ…
私は馬鹿だから
本当に期待しちゃうんだよ?
「あったりまえじゃん。
その代わりすっごい湊頑張ってよ?」
湊の揺るぎない笑顔に
どうしてだろう
笑顔になり切れない泣き顔が
私を覆いつくすの