Black Light
「早く行って…
証拠はちゃんと消すから」
目の前でもう一度大きな爆発が起きた
この建物が崩壊するのも時間の問題だろう
それでも
この炎は今の私にとっては好都合なものだった
これに焼かれ
識別できないほどの物体になれば
私と特定することは難しいだろう
痛みさえも感じないほど
私の意識は今にも事切れようとしていた
湊も見る限り
大分痛手を負っているように見える
目の前の湊が何重にも見え
情景がぐるぐると回っていくのが分かった
深い闇が徐々に私を襲っていき
ゆっくり
ゆっくりと
私は
意識を手放した