Black Light

「湊・・・!」


何だか分からないけど

身体中が熱くて

涙が出そうになる


湊は私の方をちらっと見て

再び練習を再開した


「教官から聞いたの。
湊、ここまで運んできてくれたんだよね?

あの…
ありがとう。」


「別に…
大したことじゃないし」


いつもの様にそっけなく答える湊


「でも…
湊もすごい怪我だったし。
私のことなんてほっておけばよかったのに…」


すると湊は私を見て大きなため息をついた後

この上なく迷惑そうな表情で私を見た


「だからさっきも言ったじゃん。

別に理由なんてないし、何となくだよ。
ぺアが死んだら俺だって困るし…」



照れたようにそう呟く湊に

なぜか溢れる涙




どうしてだろう

胸が苦しくて

だけど


嫌じゃないこの気持ち








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