Black Light
一か月ぶりの仕事を控えた前日
その日もいつもと変わらず、湊は私の自主訓練に付き合ってくれた
まだ思うように身体を動かすことはできないけれど
湊のおかげもあってか
以前より大分ましにはなったと思う
相変わらず湊は無愛想で
優しさの欠片もなかったけれど
それでも私たちの距離は一歩一歩
確実に近づいていった
「っ…」
「どうした?」
「ううん、平気。
ちょっと痛むだけ」
「平気って…
ちょっと見せて」
無理矢理腕を掴まれ
包帯を外される
「ちょっ…
湊!」
赤くただれた肌に
剥がれおちる皮
骨折はほとんど完治したものの
火傷の傷は深く
未だにこんな状態が続いてる
それでも何となく湊には知られたくなくて
今まであえて見せないようにしていたんだ