Black Light
「俺らってさー
何のために生きてるんだろう?」
訓練の休憩中
何の前触れもなく湊は私にこう言った
「へ?」
突拍子のない彼の問いに
素っ頓狂な私の返事
「こうやって身体がおかしくなるほど毎日訓練して。
誰かのために誰かを殺して…
それだけのために生きてるのって何かさ、よく考えてみたら虚しいよな…」
そう言ってふっと微笑んだ湊は
何事もなかったかのように訓練を再開する
「それ言っちゃったら終わりじゃん」
おどけて無理矢理笑ったけど
本当は胸にズシンと重りが乗っかったように痛くて
ここにいる誰もが本当は分かっていたんだ
自分の存在価値について
一つの希望も持てないことを