[短編集]恋花

君のたったその一言が、テストを誉められるより、何よりも嬉しかった。

あたし、ずっと、君にそう言ってほしかった。

夕暮れに染まる教室は、まるであたしたちの始まりを表しているようで、とても眩しかったね。

けれど、どんなに雲がない青空よりも、君と一緒にいたあの夕日の方が、強く綺麗にあたしの心に刻まれているよ。


「…ひかるくん」


少しだけドアを開けて、恥ずかしげに背中を向ける君を見つめた。

誰よりも友達を大事にしている。

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