[短編集]恋花
卒業と言っても、もう一生会えない訳じゃない。
会おうと思えば会える距離に、あたしたちはいる。
そんなことはわかっている。
わかっているけれど、悲しくて苦しくて寂しいんだ…。
「アユム久しぶりーっ!!元気してた!?」
登校してくるなり私の姿を見つけた友達が、私に飛びついてくる。
自分勝手な私にあきれずに、今でもこうして親しくしてくれる友達。
『ありがとう』なんて5文字じゃあ、とてもじゃないけど感謝の気持ちを表すことなんて出来ない。