夢(ほし)職人ムムとワガママな絵本
「うまくいけば夢を取り戻せるからね。
それと、修行と言うより、あの絵本の心を癒して仲良くする事だけを考えな」
いいね、任せたよ。と言って、セルディはムムのサラサラの銀色の髪をぐしゃと撫でました。
「と言うワケであたしは出掛けるよ」
セルディはそう言ってムムに背を向けました。
そして、真っ黒のマントとトンガリ帽子を被りました。
「えっ、待って下さい! 親方」
ムムは呼び止めましたが、セルディはそれを聞く事なく姿を消してしまいました。