夢(ほし)職人ムムとワガママな絵本
と言い掛けましたが、そんな事言ったら変な子だと思われてしまうので言うのをやめました。



「そうですね」

「けど、この絵本は本当に良かった。不器用で優しくて、心が暖まるそんな話しだったよ。続きが読めないのは心残りだけどな」

おじいさんは目を伏せました。 

「ワシはもう40年間待ったが作者は続きを書くどころかどこに行ったかも不明で、ファンとしては寂しいね」

おじいさんはニッコリと笑いました。
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