夢(ほし)職人ムムとワガママな絵本
辺りは変わり、街になりました。
着飾った女性と男性がいました。
彼らにもムムの姿が見えてないようです。
「お聞きになりました? ロベルト氏、もう本は書きたくないそうよ」
「はん。やっぱり、素人だな…。がっかりだよ、あいつには……」
そう言って街の人たちは、ロベルトの絵本を地面に投げ捨て、どこか行ってしまいました。
そこに、一人の浮浪者が地面に横たわりながら、手を必死で伸ばし何かを訴えていました。