爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
1章

ツンデレと女王さま!?

4月。
桜が満開の今日、私立神戸(カンド)高校では入学式が行われる。


生徒会長の五条 和葉(ゴジョウ カズハ)は、朝の桜並木を一人歩いていた。


栗色の長い髪が風にゆれ、ピンクの花びらを巻き込んでゆく。大きな茶色い瞳と、少し小さめの唇がアンバランスだ。小さい顔を支える細く華奢な体型の和葉は、とても頼りない印象を与える。


はかない桜吹雪の中に存在する和葉は、お伽話(トギバナシ)から抜け出したかのような、美しさがあった。


「やっぱり歩いて来て良かった。」


普段は自転車通学の和葉だが、今日は桜を見たかったので、歩くことにしたのだ。


気分良く歩いていると、後ろからいきなり手が伸びてきた。


「キャッ!」


和葉が悲鳴を上げたとたん、和葉の口は塞がれ、木に体を押し付けられた。


相手は見ず知らずの若い男だ。


抵抗するも、和葉の華奢な体では、男はビクともしない。男はナイフを取り出し、和葉のセーラー服のリボンを切った。そしてナイフを、リボンの下の小さな膨らみの先端にあてがう。
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