爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
黙ったままの真幸に、葉子は段々苛立ちを感じていた。先ほどの穏やかで流れるようなな口調から、少しづつ高慢で高飛車な態度に変えた。


「あたしが言いたい事、分からない?」


葉子は腕を組み、次に足を組んだ。葉子の細い足が組み替えされる。


真幸の目が、無意識に葉子の足を追う。


その視線が葉子の癇(カン)に触った。


「いい?昨日和葉が襲われた事は、この3人だけの秘密にして。他言無用よ。その代わり、あんたの言うこと、1つだけ何でも聞いて上げるわ。私と和葉で出来る範囲の事なら、何でもしてあげる。」


その言葉で、真幸は初めて言葉を発した。ゆっくりと、言葉を選ぶように。


「1つ頼みがある。」


真摯な面持ちで、葉子の顔を見据えた。顔に合った、低くも高くもない声には、燐とした響きが感じられる。


戦国武将って、こんな感じだったのかしら。葉子は不意にそんな事を思った。武骨だが、燐とした佇(タタズ)まい。葉子の周囲に、こんなタイプの男は今まで居なかった。
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