爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
和葉は恐怖のあまり体が硬直した。目を閉じ、心の中で叫んだ。
《誰か助けて!!》
そう思っている間にも、男の行動はエスカレートし、男の手がミニスカートの中へ入って来た。
《イヤァ!キモイっ!誰か助けて!!》
その時、風を切る音がした。そして後に続く、強烈な打撃音。
ヒュッ!
ドスっ!
その音で目を開いた和葉は、先程の男が地べたに倒れている姿を見た。男は腹を押さえて、踞(ウズクマ)っている。
その時、もう一人誰かが居る事に気付いた。高校生くらいの少年だ。
「走るぞ!」
彼は和葉の腕を掴むと、全速力で走りだした。
和葉も必死で走った。後ろも振り返らず、一心不乱に。
桜並木を通り過ぎた所で、二人は止まった。
和葉は完全に息が上がっていた。肺に冷たい空気が入り込んで、痛い。肩で息をしながら、和葉は顔を上げた。
彼は軽く呼吸を整え、逃げてきた道を見ていた。トレーニングウェアに白いタオルを肩に掛けている。少し日焼けした肌に、短くカットしただけの黒髪。
そして、切り裂くような鋭い眼光に、和葉は心を奪われた。
《誰か助けて!!》
そう思っている間にも、男の行動はエスカレートし、男の手がミニスカートの中へ入って来た。
《イヤァ!キモイっ!誰か助けて!!》
その時、風を切る音がした。そして後に続く、強烈な打撃音。
ヒュッ!
ドスっ!
その音で目を開いた和葉は、先程の男が地べたに倒れている姿を見た。男は腹を押さえて、踞(ウズクマ)っている。
その時、もう一人誰かが居る事に気付いた。高校生くらいの少年だ。
「走るぞ!」
彼は和葉の腕を掴むと、全速力で走りだした。
和葉も必死で走った。後ろも振り返らず、一心不乱に。
桜並木を通り過ぎた所で、二人は止まった。
和葉は完全に息が上がっていた。肺に冷たい空気が入り込んで、痛い。肩で息をしながら、和葉は顔を上げた。
彼は軽く呼吸を整え、逃げてきた道を見ていた。トレーニングウェアに白いタオルを肩に掛けている。少し日焼けした肌に、短くカットしただけの黒髪。
そして、切り裂くような鋭い眼光に、和葉は心を奪われた。