爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
「ねえ、葉子ちゃん。今からディラン先輩のところに行ってみない?真幸君にディラン先輩の弱点とか報告しようよ!」


和葉は上機嫌だ。真幸に「助かるよ。」と言われたのが、よほど嬉しかったようだ。


「大丈夫よ。総合と空手じゃ土俵が違うんだから、ほっといても真幸が勝つわよ。」


「そんなの分かんないよ。ディラン先輩めちゃめちゃ強いんでしょ?」


「ディランは打撃しか出来ないから、真幸君が寝業を重点的にしかけて行ったら大丈夫よ。」


和葉き動きがぴたりと止まった。


「ね…寝業…?」


和葉が眉をしかめる。


「やらしい事考えてるんなら、お門違いだから安心しなさい。そうね、総合について少し勉強しといた方が良いかもね。私も詳いワケじゃないし。」


制服を取りに行った後、テンションの戻った和葉を連れて、葉子は近くの本屋に向かった。


格闘雑誌の並ぶコーナーでは、男性達が2、3人立ち読みをしている。


葉子は数冊ある中から1冊を手にした。その時後ろから声がした。


「お嬢さんが見るような雑誌ではないですよ。」


葉子と和葉は同時に振り向いた。そこには見慣れた顔が立っていた。
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