爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
和葉は「きゃぁ」と黄色い声を上げると、葉子の腕にしがみ付いた。
「こんなの見てどうするの。」
ディランは葉子から雑誌を取り上げると、もとの位置に戻した。
「ただの気紛れよ。もういいわ、和葉行くわよ。」
葉子はディランの横を通り過ぎると、店を出た。
だが、ディランは後を付いてくる。
「葉子ちゃん、ちょっと待って。話したい事があるから。」
声をかけるディランに、葉子は歩幅を狭め首だけ振り向いた。
「何?」
「今度試合をするんだけど、師範や道場生達に試合観にくるように言われても来たらダメだから。」
「は?なんで?」
葉子の疑問の言葉に同調して、和葉も首を傾(カシ)げる。
「プロの試合だから、観にくる奴も粗野な男が多いだろう。そいつら皆、葉子ちゃんの事をいやらしい目で見るに違いない。だから来たらダメだ。」
ディランは冗談でこんな事を言っているわけではなかった。本気でそう思っていた。
「へぇ…。もし行ったらどうする?試合に集中出来なかったりする?」
葉子は意味ありげに横目で見据えると、口角を上げた。口唇(コウシン)がゆらりとグロスで光る。
「こんなの見てどうするの。」
ディランは葉子から雑誌を取り上げると、もとの位置に戻した。
「ただの気紛れよ。もういいわ、和葉行くわよ。」
葉子はディランの横を通り過ぎると、店を出た。
だが、ディランは後を付いてくる。
「葉子ちゃん、ちょっと待って。話したい事があるから。」
声をかけるディランに、葉子は歩幅を狭め首だけ振り向いた。
「何?」
「今度試合をするんだけど、師範や道場生達に試合観にくるように言われても来たらダメだから。」
「は?なんで?」
葉子の疑問の言葉に同調して、和葉も首を傾(カシ)げる。
「プロの試合だから、観にくる奴も粗野な男が多いだろう。そいつら皆、葉子ちゃんの事をいやらしい目で見るに違いない。だから来たらダメだ。」
ディランは冗談でこんな事を言っているわけではなかった。本気でそう思っていた。
「へぇ…。もし行ったらどうする?試合に集中出来なかったりする?」
葉子は意味ありげに横目で見据えると、口角を上げた。口唇(コウシン)がゆらりとグロスで光る。