爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
2人の説明はこうだった。


現在秀一が副会長と運動部総轄(ソウカツ)をしている為、運動部の各予算の報告ルートが

運動部(総括)→文化部(総括)→副会長→会長→生徒会顧問

の流れだ。本来は

運動部(総括)→副会長→会長→生徒会顧問

で良い。


この文化部の部長が細かい女で、ここでいつも秀一は書類申請と説明に手間取る。彼女と仕事するのが嫌な事も、皆が運動部部長をしたがらない要因の1つだ。


しかし新たに運動部部長を立てれば、予算の決定がスムーズに行く上、ある程度はコントロール出来るようになる。


「部を新設するのに4人以上必要だ。うちの学校は部の掛け持ちOKだから俺ら4人で申請しよう。そうしたら部の予算に30万くらい当てて、そこから「試合、大会参加費」「部の設立必要経費」でチケット代に当てれる。」


「私が上手くやるわ。真幸君は私の言った通りに数字を書いて判子押すだけで良いの。」


なんだか怪しい詐欺商法のような言い方で葉子は明るく真幸の背中を叩いた。


真幸は黙ったまま何かを考えていた。葉子も秀一も、お茶を飲んで喉を潤し真幸の言葉を待った。和葉は寡黙な真幸の姿に見惚れている。
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