爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
「なんでこんな格好を…。」


真幸が文句を言って着ているのは、試合用の短パンだ。青ベースのデザインで、両サイドにある太めの黒いラインはチャックになっていた。


試合中はチャック全開にして、スリットのようになる。動くたび隙間から太ももがチラチラ見える仕組みだ。
(keiはこのタイプのパンツが好きです。思わず目がいってしまうの。応援する声にも、力が入りますよ。)


「お前は全然マシだって。それ、ちゃんとした試合用のだろ?」


秀一はぴったりした白い光沢のあるズボンに、アーミーブーツ。右腕には白、緑、黄色の紐を三つ編みにしたモノが巻かれている。左手首には黒い皮バンドが巻いてある。


「どこのプロレスラーのコスプレよ…。」


秀一は鏡を見ると、再び嘆いた。


「あんた達…ぜんっぜんましよ!私を見なさい!」


葉子は、着替える為に立てていた仕切り板の横から、ヒールの音高らかに現れた。


赤いチャイナドレスに黒い編み上げブーツ。手には肘まである、黒いレースの手袋をはめている。


「これ、絶対アウトでしょ。ヤラシ過ぎよ。」


しかし、顧問になった雅香先生はOKを出した。
< 39 / 65 >

この作品をシェア

pagetop