爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
『真幸君、何か言ってくれるかな。』


和葉は期待に胸を膨らませて、黙っている真幸を見ていた。投げかかれる多くの賛辞も右から左に流れてゆく。


真幸1人の「かわいい」と言う言葉だけで、和葉の心は天にも昇れると言うのに。


結局真幸は何も言わぬまま、ポスター用の写真撮影が始まった。


まずは個別での撮影に始まり、最後は4人での撮影と言う流れらしい。


個別の撮影は順調に進み、4人での撮影が始まった。


「じゃあ、4人で一緒に撮るね。周防は真ん中で、葉子さんは俺から見て右に。秀一は左に立って!」


3人は、カメラ担当の狩野(カリノ)の指示通りに立った。


「OK!じゃあ周防は和葉をお姫様抱っこして!」


『……は?』


真幸と秀一、そして葉子までもが一斉にハモる。和葉は両手で口を押さえていた。めちゃめちゃ嬉しかった。


「それならそうと早く言いなさいよ!!誰かティッシュ持ってきて!」


葉子は大声で命令した。その場にいた1人の男子が、命令されて嬉しそうに走ってティッシュの箱を取りに行った。典型的なM男の反応だ。
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