爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達

２章

ディラン ＶＳ 真幸

４月も終わり、そろそろＧＷ（ｺﾞｰﾙﾃﾞﾝｳｨｰｸ）。


春のぽかぽかした気候と相まって、授業に身が入らない生徒が多かった。


「…と言う事なので、衆議院は…。」


先生の声は子守歌の如（ｺﾞﾄ）く静かな教室によく響き渡っている。


ガラガラガラ…。


その時、教室の扉が開いた。ディランだ。


ディランは教室内を一瞥すると、ずかずかと入ってきた。


「失礼。周防、秀、ちょっと。」


突然のディランの登場に、教室内は黄色い歓声に包まれた。


真幸は愕然としていた。目の前にいる対戦相手のあまりの人気っぷりに。


秀一は素早く席を立つと、ディランに向かって行った。


「今授業中ですよ。出ていってもらえませんか？。」


秀一は冷静に話し掛けた。２人の間に微妙な空気が流れた。


短い沈黙に割り込んだのは真幸だった。


「秀一は試合に関係ない。俺だけで十分だろ。」


真幸は挑発するようにディランの肩にぶつかると、一人教室を出ようとした。


「試合の事じゃない。…いいから秀も来い。」


「嫌です。用があるなら授業終わるの待ってたらどうなんです？」