爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達

試合開始

******


あれから2ヵ月…。


ついに試合当日となった。


ディランは時折、葉子の様子を見に来る。そして、太陽が連れ戻す…と言う事を繰り返していた。


「本当にこんな奴が、強いのか?戦う気あるのか?」


真幸は、そう疑うようになっていた。


本気でプロになろうとしている真幸にとって、1試合1試合が大切なのだ。


必ず勝って、次の試合に繋(ツナ)げたい。その一心で、ハードなトレーニングをやってきた。


「真幸!準備出来たの?そろそろ行くわよ!」


「ああ。分かった。」


本日セコンドに入る姉と共に、真幸は家を出た。


勝つイメージは十分出来ている。


****


「良かったなぁ!親父の車、空いてて。」


緑色の恐竜の着ぐるみパジャマを着た太陽が、運転席から声を掛けてきた。


時折通行人が、ギョッとした目でこちらを見てくる。


「お陰で助かりました。」


後部座席の和葉も、赤い雪男の着ぐるみパジャマを着て、ニコニコしている。


ジーパンにピンクの花柄チュニック姿の葉子が、妙に浮いて見える。


ここは平和そのものだった。
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